シニアカーでよく起こる事故
歩道の切れ目や車道との段差で起こる事故
シニアカーや電動車いすでは、「歩道の途切れた場所」ややむを得ない場合に車道に出る際の「段差」で「つっかえて停止」や「転倒」のような事故が起こります。
段差での事故
シニアカーのスペックには「段差乗り越え高さ」なる項目を掲載している車種も少なくありません。
これは文字通り、「それ以上の高さを乗り越える能力がない」や「乗り越え時に車体が受けるダメージ」を考慮して掲載されている事が多く、数値以上の段差を乗り越えようとすると
- 思わぬ急停車による怪我
- 荷物の落下
- 車体やタイヤの破損
等のトラブルを生む原因にもなります。
また、直後は問題なくても、車体やタイヤへのダメージが蓄積していき、ガタや破損で後々「思わぬ事故」を起こす事も珍しくはありません。
乗り越え時はもちろん、歩道から下りる際も想定以上の段差が運転者や車体へ影響を与えるのは、シニアカーに限らず自転車でも良くある話です。
車道へ出入りする際の段差も注意が必要
また、車道へ出た後、歩道へ戻る際も「想定以上の段差」を乗り越えようとすると、自転車同様「転倒」のリスクが高まります。
こういった事故は、「車椅子よりもシニアカーで多く起こる事故」であり、理由は車輪の外径が影響しています。
ご存知の通り、車いすは「外径の大きな車輪」を備えている事が多く、反対にシニアカーの車輪は30㎝前後のものがほとんどです。
もちろん、電動車いすであっても車輪が小さい車種は段差乗り越え時に中が必要なのは言うまでもありません。
人身事故
「人身事故」と聞くと、死亡や大怪我を思い浮かべる方も多いでしょうが、シニアカーと人が関係する事故は比較的小さなものがほとんどです。
たとえば、混雑している場所での「接触」や「人の足を轢いてしまう」ような事故は、比較的よく起こる事故で、これを理由に「施設内への乗り入れを禁止」している施設もあるぐらいです。
シニアカーとは言え、前輪を後輪がある以上「内輪差」は生まれます。
自動車ほどでなくとも、「曲がり角を曲がる際」や「ちょっとしたカーブの際」に気付かず歩行者の身体や荷物にぶつかったり、足を轢いてしまうような事例はシニアカー運転の際は要注意です。
また、シニアカーにはバックミラーを搭載している事が多いですが、小さなお子さんはミラーの「死角」に入ってしまう事が多く、思わぬ事故を起こす事があります。
自転車との事故
この事故の原因は明確で、自転車とシニアカー、電動車いすとの速度差が事故原因である事が大半です。
たとえ、ミラーで後ろから来る自転車が見えていても、その速度差を考慮できず、結果接触してしまうのは「シニアカーと自転車の代表的な事故」と言えます。
坂道ので事故
坂道もシニアカーや電動車いすを使用する際には注意しなければならない場所です。
「登降坂角度」以上の上り坂はモーターに負荷をかけるのはもちろん、想定以上の下り坂は思わぬ重大事故を起こす場合があります。
また、介護者がクラッチを切って「手押し状態」のシニアカーや電動車いすは「電磁ブレーキ」効きませんので、下り坂で介助者が手押しするのは避けた方がいいでしょう。
ペットの散歩中の事故
そこまで多くの割合を占める事故ではありませんが、ペットの関係する事故も時折報告されています。
- リードを車体につないでの犬の散歩
- 小型犬を乗せての散歩
これらは「普通に散歩」しているなら問題ないように感じられるかもしれませんが、
- 段差や音によりペットが驚く
- 他の犬を見て興奮
等、ペットが思わぬ行動を取った際に「転倒」や「落下」等のリスクがあり、最悪「二次事故」に発展する可能性すらあります。
最後に
シニアカーも電動車いすも「それほど」スピードが出る乗り物ではありませんが、その重量は「車体」+「運転者」+「荷物」が合わさり「人間が同じスピードでぶつかる」以上の衝撃を相手に与えます。
また、下り坂でアクセルを開けると、最高速以上の速度が出てしまい思わぬ事故が起こる事も珍しくはありません。
シニアカーや電動車いすは「歩行者扱い」と言われています
しかし、乗り物であることには変わりありません。
使用方法によっては、人間や他人の財産に損害を与える事も十分に可能です。
使用者はもちろん、介助者やご家族が良く説明書を読み、よくシニアカーや電動車いすの機能や特性を理解しておく事が大切です。
それさえ守れば、シニアカーも電動車いすも高齢者の移動を助ける「素晴らしい乗り物」になるのは間違いありません。