高齢者に免許書の返納を説得する方法

高齢者の免許返納問題 高齢者の運転

進んでいない高齢者の免許返納

年々、高齢化が進んでいき、そう遠くない将来に「超高齢化社会がやって来る」という事は、大半の方が頭では分かっているのではないでしょうか。

そして、それを象徴するかのように、高齢者の暴走事故やのニュースを目にする機会は増えています。

実際、75歳以上の高齢の運転者が関与した事故は全体の約8%程度で、決して事故の割合が多いというわけではありませんが、高齢者が事故を起こした場合は「被害者が死亡する」ような大事故が多いのが特徴です。

ほとんどの方は

車を運転する能力が著しく低下したのなら「免許書を返すべき」

だと考えていると思いますが、実際には高齢者の免許返納はあまり進んでないのが現実です。

中には

  • 運転中に頻繁に「ヒヤッとする場面」がある
  • 最近、後ろからクラクションを鳴らされる事が増えた
  • 車をぶつける事が増えた

等、自身の能力低下を自覚しているにもかかわらず、そのまま運転を続けている方も見受けられます。

そういった方の特徴は

「自分は大丈夫」だと考えている

と過信している方が大半で、年齢と共に脳機能が低下した結果、多くの方が

  • 自信家の方がより自信満々に
  • 頑固な人がより頑固に

なる傾向があり、根拠もなく「自分だけは大丈夫だ」と思いがちです。

昔から言いますよね?「年寄りは年々頑固になっていく」って。
高齢のご家族に対して、同じことを感じている方も多いのではないでしょうか。

時折、不安を感じながらも運転を続けている方の中には「新たな移動手段」がなかなか見つからず、渋々「現状維持」をしている方も少なくはありません。

もちろん、地方で生活する方にとっては

車は必需品である

事は間違いありません。

また、配送や運転手等、「車の運転を職業」としている方も少なくはありませんので、そういった方にとって免許返納は「次の移動手段を探す」と同時に「新たな仕事を探す」事をも意味します。

これは社会の構造上やむを得ない部分があるのも確かです。

しかし

誰にでも「運転できなくなる時」が確実に来ます

交通事故

これも紛れもない事実です。

突然死の除き

人間は徐々に衰えていきながら死を迎えます

もちろん、自動車の運転も「ある日突然」出来なくなることは少ないでしょう。

運転免許証の試験や更新では「視力」を必ず検査されると思いますが、人間が車を運転する際、「視力」以外にも多くの能力を使って運転しています。

高齢者の事故原因は「視力」「聴力」「筋力」等の身体機能の衰えが原因の場合もありますが、

  • 記憶力
  • 判断力
  • 注意力

等が事故の直接の引き金になる事も少なくはありません。

もちろん、「脳梗塞」や「てんかん」等の突発的な病気が原因の場合もありますが、これは高齢者に限らず、中年でも時折見かける病気ですので、やはり

高齢者の事故は「認知機能の低下」が主な原因

だと言えます。

平成29年に「道路交通法」の一部が改正されて、70歳以上の免許所持者は「高齢者講習」を受講することが規定された。

そして、75歳以上の人に対しては免許更新の際に「認知機能検査」を受けることが義務付けられる事になりました。

言うまでもありませんが、検査の結果「認知症である」と診断された場合には、聴聞等の手続きを経た上で、運転免許の「取り消し」もしくは「停止」の処置がなされます。

また、認知機能検査について、75歳以上のドライバーが特定の交通違反(信号無視等)を犯した場合に、臨時に認知機能検査を行なう事も出来るようになりました。

こうやって見てみると、国もある程度「高齢者の暴走事故」に対して、様々な対策を講じている事がわかりますよね。

しかし

それでも高齢者の暴走事故はなくならないでしょう

もちろん、次の免許更新まで3年の間、高齢の運転者の認知機能の低下が「いつ、やってくるか?」なんて誰にもわかりませんから。

大切なのは

重大事故が起こる前に運転を止めることです

ご本人で「免許書の返納」を決断できないのでしたら、その役目は「家族」が担うことになるのではないでしょうか?

高齢者の運転者同様「うちの父親に限って…」「お母さんはまだ大丈夫」とご家族が思っていては、後々「あの時に止めていれば…」という後悔が出るかもしれません。

高齢者の事故で問われる「家族の責任」

高齢者の暴走事故と家族の責任

「事故?そんなの保険に入っていれば大丈夫でしょ?」

そう思われる方も少なくないでしょう。

現に日本国内では

車の運転するなら任意保険の加入は常識化

していますよね?

加入が義務付けられている「自賠責保険」、そして任意保険で「対人賠償」と「対物補償」を無制限で加入しているのなら、実際に事故を起こしてしまった際に賠償金の心配はしなくてもいいのかもしれません。

しかし、人身事故を起こしてしまった場合、民法以外にも刑法で

  • 自動車運転過失致死傷罪
  • 危険運転致死傷罪

に問われる可能性が高くなります。

もちろん、そこで責任能力があると判断されれば、父親や母親が「犯罪者」と扱われることを意味しています。

そして、

運転者に「責任能力がない」場合、家族が責任を問われることも

「事故を起こした本人が責任を取る」のは当たり前ですが、運転者が認知症であると判断された場合は、その家族が「監督責任」に問われるケースがあります。

  • 認知症の疑いがあるのに、自由に運転させていた
  • 運転者に賠償金を支払う能力がない

のような場合、家族がその責任に問われる場合があります。

よく聞きますよね??

電車と事故を起こした際、その家族や遺族が

鉄道会社から多額な賠償金を請求をされる話を。

こういった話が「高齢者の暴走事故」が起こった際にも同じような事が発生し得るのです。

家族が責任を問われるケース

  • 高齢が原因で事故を起こす可能性があると予想しえた
  • 事故を防止する方法がありながら、その防止策を講じていなかった

の2点が揃えば、その家族が責任を問われます。

そういった事を家族が把握してしていなかったとしても、ご近所から認知症が疑われるような証言が出れば、たとえ「家族が気付かなかった」と言っても責任を追及される可能性が高まるでしょう。

また、味方であると思っていた保険会社が「保険金を支払いたくない」がために、家族に責任を追及して、保険金の減額を求めるようなケースもございます。

はっきり言って、高齢者が暴走して事故を起こした場合、誰も幸せにはなりません。

たとえ自動車保険で賠償金が支払えたとしても、被害者や遺族に対して誠意ある謝罪を続けていくことは避けられないでしょう。

恨みを持ってしまった被害者や遺族から裁判に引っ張り出され、法廷で強い非難や追及は想像以上のものになるはずです。

また、加害者本人が事故後に後悔や責任を感じ、それを苦に自殺してしまうケースもあります。
しかし、たとえ加害者が命で償ったとしても、その責任は残り続け、相続人である家族が償うことになります。

更には、これ程「高齢者の運転に対して逆風が吹いている」中、もし事故が起こった際には、ご近所や身内からの批判は免れないかもしれません。

こうして見ると、他の事故と同様、「高齢者の事故は何も良いこと」がありません。

まずご家族ができることは、高齢のご家族が自賠責しか加入していないのであれば、今すぐにでも最低限は任意保険に加入する。

そして、老親の運転に同乗する際は、普段から注意深く運転を観察することです。

高齢者の事故は、一つの事故が起こる前に「いくつものヒヤッとする場面がある」

と言われています。

普段から

  • 確認不足(前後左右、歩行者等)
  • 運転技術(カーブ、駐車等)
  • 操作のし忘れ(ウィンカーやサイドブレーキ等)
  • 誤操作(アクセルとブレーキの踏み間違い等)
  • その他、同乗者が怖い思いをする

が頻繁に起こるのでしたら、それはもう「運転免許証を返すべき時」なのかもしれません

免許書の返納を説得する方法

高齢者を説得する女性

いつ、高齢の家族に免許書の返納させる?

今現在、高齢の方が免許証を持っているということは、認知機能の検査をクリアしていることを意味しています。

しかし、繰り返しますが「いつ高齢者が事故を起こすのかはわかりません。」
極端な話をすれば、免許書を更新して翌月には認知機能が低下する可能性も十分にあります。

認知症には「若年性」という言葉があるように、60歳代でも発症する方はいらっしゃいますが、75歳辺りから増加していきます。
そして、80歳代に入るころには半数以上の方が発症することが報告されています。

もし、老親の運転に不安を感じることが少しでもあるのであれば、定期的に親の運転する車に同乗して、運転に不安がないかどうかの確認を行なっていくべきです。

では、どうやって親を説得するのか?

もちろん、高齢になっている方が大半ですので、おそらく頑固に免許返納を拒否される方も少なくないでしょう。

しかし、まったく説得が不可能というわけではありません。
下記のような場合は、比較的説得に成功する可能性が高いように思います。

  • 長女の説得は受け入れなかったが、長男に説得は受け入れた
  • 既に免許書を返納した者による説得
  • 特別仲の良い人物からの説得
  • 本人が頭が上がらない人間からの説得

等が比較的、説得が成功したケースです。

また、シニアカーや電動車椅子等の「新しい移動手段」を先に用意してしまうのも効果的な手段です。

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