シニアカーのブレーキ事情
今回は、シニアカーの「ブレーキ」のお話です。
ご存知かもしれませんが、一般的なシニアカーには「ハンドル」部分にブレーキレバーやアクセルと兼用のレバーが取り付けられています。
運転者が「危険」や「減速が必要」と判断した場合には、アクセルレバーから手を放すことによってブレーキが掛かり車体が減速されます。
シニアカーが出るスピードは「人間が歩くスピード」程度ですが、乗り物である以上、万が一のために「必要な装備」なのは間違いないでしょう。
電磁ブレーキ
シニアカーが走行している時に使うのは「電磁ブレーキ」と呼ばれるブレーキです。
(自動ブレーキと呼ばれることもあります)
これは、モーター内のコイルに通電することにより発生する電磁力を利用して制動力をオンオフする装置です。
ほとんどすべてのシニアカーはモーターで動力を得ていますので、
「電磁ブレーキ」はシニアカーの標準的なブレーキ
と言っても過言ではありません。
電磁ブレーキを掛けるには「アクセルから手を放す」、たったそれだけです。
高齢者でも安心の簡単操作ですね。
元々、それほどスピードが出ないシニアカーですので、これで停車まで十分減速します。
また、電源オフ時も作動するため、駐車ブレーキとして利用している車種もあります。
電磁クラッチを切った際、電磁ブレーキは効きません
多くの車種で、
- 介助者がシニアカーや電動車いすを押す場合
- 不意にバッテリー切れた場合
を考慮して、「手押し」するために「電磁クラッチ」を解除する機能を搭載しています。
この電磁クラッチを切った際は「手押し」ができる反面、電磁ブレーキが効きませんので注意が必要です。
「坂道でブレーキが効かない車」ほど怖いものはありませんよね?
手動ブレーキ
いわゆる「摩擦」によって制動力を得る物理的ブレーキになります。
自転車のブレーキみたいなものがシニアカーの車輪についているイメージでいいと思います。
利点は、シニアカーの電力の有無に関係なく制動力を得られる点で、たとえば「バッテリー切れを起こした際」や「電磁クラッチを解除して移動する場合」にあると安心でしょう。
また、「電磁ブレーキ」よりも確実な制動力を得られるため、駐車ブレーキと兼用で装備されている事もあります。