比較 | 電動車椅子 | シニアカー |
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本体サイズ | 103×64×87cm (10機種の平均値) | 115×60×103cm (10機種の平均値) |
本体重量 | 20~34kg | 54~100kg |
速度 | 6km | 1~6km |
連続走行距離 | 5~20km | 15~36km |
充電時間 | 4~5時間 | 4~15時間 |
折り畳み | 可能な機種が多い | 可能な機種が少ない |
デザイン | 車椅子然とした見た目 | 乗り物的な見た目 |
主な特徴 | ・省スペース ・小回りが利く ・片手で操作可能 ・屋内施設や公共交通機関で利用可能 (各施設にお問い合わせ下さい) | ・段差、坂道で安定感がある ・長距離の走行が可能 ・乗り心地が良い ・比較的、多くの荷物を積める ・スクーターのような操作感 |
シニアカーと電動車椅子は何が違うのか?
シニアカーと電動車椅子。
確かに見た目からして「まったく違う乗り物」に見えますが、双方ともに高齢者や障害のある方たちの「移動支援」を目的に製造されている車輌になります。
では、双方に「どういった違い」があるのでしょうか?
最近、高齢者の免許書返納後の移動手段として期待されている「シニアカー」と「電動車椅子」ですが、日本国内で使用する際に「どちらを購入すればいいか?」と悩まれている方も多いでしょう。
共通している部分は、双方ともに「道路交通法上は歩行者扱い」や「介護保険でレンタルが可能」な4輪もしくは3輪の乗り物である点です。
シニアカーとは
シニアカーは、多くの呼び方があるのも特徴で
- シニアカー
- セニアカー(スズキの販売するシニアカーの商品名)
- 電動カート
- ハンドル型電動車いす
など、様々な名で呼称されている高齢者向けの乗り物です。
特徴は「操舵するバンドル」、独立した「座席」を装備した、主に屋外での使用を想定されて開発された車輌です。
運転者の前にハンドルやかごが装備されている分、正面からの事故の際は搭乗者がむき出しの電動車いすに比べて安全性が高いメリットがあります。
シニアカーの優れた点
デザイン
高齢者の中には「車いす=足の不自由な人」というイメージを持つ方も一定数いるため、スクーターライクなデザインは「新しい移動手段」として「電動車いす」に比べて受け入れる方が多い傾向にあります。
また、前述のとおり「前に何もない」電動車いすに比べ、シニアカー前部はハンドル等の車体で運転者を覆う形になりますので、事故の際の安全性の点でも有利になります。
優れた走行性能
スクーターを4輪にしたような外見と操作感。
電動車いすに比べると、大きさと重量があるため安定した走行を可能にしている反面、事故の際は車椅子に比べ相手に強い衝撃を与える事も。
積載場所に余裕があるため、大型バッテリーや荷物が搭載でき、連続走行距離にも優れています。
多くの荷物を積むことができる
電動車椅子に比べると車体が大きい分、
- ・前カゴ
- ・後ろカゴ
- ・座席下
等に比較的多くの荷物を積む事ができます。(車種により積載場所は変わります)
通院での使用はもちろん、近所のスーパーへ出掛けて気兼ねなく買い物をする事も可能です。
座面が高い
多くのシニアカーは電動車いすに比べ「シート」が高い位置に取り付けられています。
これは「乗降りのしやすさ」はもちろん、移動中の視界も電動車いすに比べれば有利に働きます。
シニアカーは
高齢者にとって「自転車」や「スクーター」の代替で移動手段というのが一般的な使い方
ではないでしょうか。。
シニアカーのデメリット
保管場所の問題
上記では「車体の大きさ故のメリット」をお伝えしましたが、もちろんそれがデメリットになってしまう部分もあります。
車体が大きい分、保管場所もある程度のスペースが必要になり、シニアカーは折り畳み機能を有していない車種が多いので尚更です。
また、分解して省スペースに保管できるシニアカーもありますが、毎日のことになると分解が面倒になり、そのまま玄関先に停めていることが多いようです。
小回りが利かない
これは構造上やむを得ないですが、電動車いすに比べてしまうと小回りは利きません。
細い道でのUターンは大の苦手です。
電動車椅子とは?
電動車椅子とは、その名の通り「電動化」された車椅子です。
座席下及び車輪内に「電動モーター」と「バッテリー」を搭載され、搭乗者が自ら漕ぐ必要もなく、手元に集約した操作部分で比較的簡単に運転できてしまいます。
ご存知の通り、昨今「バリアフリー化」が叫ばれていて、駅等の公共の施設や商業施設でも車椅子の使用を想定された場所が増えていますので、屋内外問わず幅広い場所での使用できるのが電動車椅子の大きな武器です。
新規で建設されるような商業施設は、ほとんどが「車椅子」での入場を想定されています。
反面、前から見ると運転者がむき出しになりますので、シニアカーに比べてしまうと少し安全性に劣ります。
電動車椅子のメリット
車体がコンパクト
シニアカーに比べると、電動車いすはコンパクトに造られています。
更に、ほぼ全ての電動車椅子は「折り畳み機能」を搭載しているので、シニアカーに比べて置き場所に困りにくいのが利点です。
屋外に駐車されることが多いシニアカーに比べると、屋内保管が多い車椅子はフレームの錆等の劣化が少ない傾向にあります。
小回りが利く
コンパクトな車体とその構造上、電動車椅子はシニアカーに比べて小回りがとても利きます。
中には、その場で方向転換できる車種までありますので、エレベーター内や細い路地での方向転換も苦になりません。
交通機関、施設内へ入場できる事が多い
コンパクトな車体の恩恵はまだあります。
各交通機関への乗り入れはもちろん、大型のショッピングモール等、屋内で利用できる事が多いのは大きなメリットではないでしょうか。
(入場の可否については各施設にご確認ください。)
大きな違いは、その外見と大きさ
スペックの数値上では大して差がないように感じる方もいるでしょうが、シニアカーの全長は電動車椅子と比べると少し長い事が多いです。
これは何を意味しているかというと、シニアカーは
- 安定した走行が可能な反面、駅等の各施設内への入場制限がある
- 比較的多くの荷物を積める半面、小回りが効かない
のようなメリットとデメリットを抱えています。
反対に電動車椅子は
- 小回りが効く半面、やや走行安定性が劣る
- 小型で施設内へ入場できる反面、あまり荷物を積めない
という事が言えます。
どちらを選ぶかは用途による
両者とも似たような役割を持ちますが、シニアカーはあくまで「車両」としてアプローチしており、電動車いすの方は「移動補助装置」としての側面が強く、両者の差は小さいように見えて「明確な棲み分けがなされてる」と言えます。
シニアカーは、自宅から目的地前までの利用できる「スクーター」的
電動車椅子は、目的地内でも入場して利用できる「車椅子」的
のような使い方が一般的です。
ご存知の通り、日本国内では新規で建設される公共の各施設は「バリアフリー前提」で設計されていますので、電動車椅子を選択した場合は広範囲での利用が可能です。
反対に、「1人で近くのお店まで買い物」そして「購入した物を積んで持ち帰る」ような用途にはシニアカーが向いています。
自動車免許を返納した、まだまだ元気な高齢者が選ぶのも大半がシニアカーになります。
反面
歩行に不安が少しでもあるような方は電動車いすを選ばれる事が多い
傾向にあります。
デザインで選ばれる方も
シニアカーと電動車椅子の使い道をご説明しましたが、中には「車椅子=足の不自由」というイメージを持っている高齢者が一定の数いらっしゃいます。
購入したものの、乗らずじまいでは意味がありませんよね。
そういった場合には、使用する「ご本人」に選んでもらった方が失敗が少ない選び方だと思います。